こんにちは、DDIの徳永です。

今回は最近大きな話題となっている「MeditLinkの一部アプリ有料化」についてお話ししたいと思います。

これまで無料で提供されていたMeditLinkのアプリケーションが、(USリージョンでは)2025年3月31日をもってサブスクリプションモデルへ移行することが発表されました。これはMeditLinkを使用している歯科医院や技工士にとってはショッキングなニュースですね。

今回はこの有料化の詳細、影響、そして代替案について詳しく解説していきます。

 


MeditLinkの有料化 – 何が変わるのか?

1. 有料化されるアプリケーション

今回、有料化の対象となるのは以下のアプリです。

Model Builder

ClinicCAD

これらのアプリはMeditスキャナーと連携して設計やデザインを行うためのツールとして広く利用されていました。

ただしMeditスキャナーの所有者は引き続きModel Builderを無料で使用可能です。一方でMedit以外のIOSユーザーはサブスクリプション契約が必要になります。ClinicCADに関しては日本国内でのサブスク化は未定とのこと。これはサブスク化に伴って新たにアップグレードされるClinicCADバージョン1.0の国内認可が未定なためだそうです。実際の費用に関しては下記の表を参考にしてください。(海外で報告されていたものですが、変更になる可能性はあります。)

 

 


 

 

 

 

 

2. なぜ有料化されるのか?

Meditが無料で高機能なソフトウェアを提供し続けることは、ユーザーにとっては非常にありがたいことでした。しかし、無料提供を続けることには限界があったと考えられています。

運営コストの増加(開発・サーバー維持費)

企業の収益モデルの変化(Meditは最近買収されており収益性が求められている)

デジタル歯科業界全体の流れ(多くのソフトがサブスクリプションモデルへ移行している)

無料の時代が終わりを迎え、今後はサブスクリプション制が主流になる可能性が高いということですね。また前述の通りClinicCAD自体はバージョンアップが予定されており、一部ユーザーの間ではデジタル咬合器の機能追加が期待されています。上位機能の追加に伴う有料化であれば仕方がないかもしれません。

 


日本の歯科医院・技工士への影響

この変化により、日本の歯科医院や技工士にどのような影響があるのでしょうか?

1. コストの増加

これまで無料で利用していた機能が有料になるためコストを考慮する必要があります。特にMeditのIOSを使用していない技工所や医院にとっては新たな支出になります。

2. ワークフローの見直し

•Meditのソフトウェアをそのまま使い続けるか?

•他のソフトウェアに移行するか?

•ワークフローを最適化してコストを抑える方法はないか?

これらを検討するタイミングになりそうです。

 


有料化に伴う代替案 – 他に使えるソフトウェアは?

今回の有料化によって、Meditを使い続けるべきか、それとも他の選択肢を探すべきか悩む方もいるかと思います。ここでは、代替となるソフトウェアをいくつか紹介します

Blender for Dentalオープンソース、機能追加ごとに課金)

  • 3DモデリングツールのBlenderを歯科向けにカスタマイズしたもの。
  • 学習コストが高い(要は難しい)
  • ようやく日本語化され使いやすくなってきてはいるみたい。

Exocad(有料だが高機能)

  • 歯科用CADの王様。

 

Dentbird

  • 日本ではCiが代理店、クラウドベースの歯科CADソフトでクラウンやインレーの設計に強み
  • シンプルなUIで使いやすくデジタルワークフロー初心者にも適している
  •  使用料:1つのクラウンのエクスポートに4クレジット必要(1クレジットおよそ1ドル、まとめ買い割引あり)

 

Clinux CAD

  • MeditLinkにもシステムインテグレーションされている歯科用CAD
  • 最近開発が停滞している気がする
  •  使用料:月99ドル〜のサブスクとエクスポートごとにおよそ4ドルの支払いのどちらかを選択可能

 

Atomica.ai ←注目してます

  • AIに特化したの自動診断・設計支援ツール
  • クラウン、スプリント、サージカルガイドなど現在進行形で機能が増えている。
  • 使用料:従量課金制


3Dプリンターメーカーの独自ソフト

最近では、3Dプリンターメーカーが独自のデンタルCADソフトを提供することも増えています。

•SprintRayのRayWare

•FormlabsのPreForm

これらのソフトはMeditLinkほど多機能ではありませんが単純な設計には十分な場合もあります。ただし、国内認可の問題で使えないものも多いです。

 


まとめ – これからのデジタル歯科業界にどう対応するか?

 

今回のMeditLink有料化は一つの時代の終わりを告げる出来事かもしれません。しかしこれは単なるコスト増ではなくデジタル歯科の未来を考えるきっかけにもなるでしょう。

これまで無料だったツールが今後も無料であり続けるとは限らない

ワークフローやソフトウェアの見直しが必要になる可能性がある

今後も新しいソフトウェアやツールが登場するため、情報収集が重要

デジタル歯科は日々進化しており新しい技術やソリューションが登場しています。これを機に自院に最適なデジタルワークフローを考え直す機会と捉えて賢い選択をしていきましょう!

 


最後に

皆さんは、このMeditの有料化についてどう思いますか?

そのまま使い続ける?

他のソフトに移行する?

新しいツールを試してみる?

ぜひ、意見やアイデアを共有してください。特にグループラインの参加者は気軽にお声掛けくださいね!引き続き、最新情報をチェックしながら、より良いデジタル歯科の活用を考えていきましょう!💪

この記事を書いた人

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Koichiro Tokunaga

東京都千代田区 原田歯科クリニック勤務 
東京SJCD所属