今回は導入コスト、ランニングコストについてお話しします。

 

導入コスト

実際にかかった導入コストを紹介します。

今回は以前紹介したelegoo mars4 ultraより1世代古いelegoo mars3 proで計算しました。

私の環境ではこの機種が一番長く、手持ちのパーツも多いからです。

もちろん現役です。

現在は終売となりましたが4KでZ軸解像度が10μmの3Dプリンターが4万円前後で手に入ったのは衝撃的でした。

私はこれに加え交換用レジンタンクを2つと冬場にレジンを温めるためのヒーターを装着しています。

さらに出来上がった造形物を洗浄し、2次硬化するための洗浄硬化機を一台所有しています。

 

計算してみましょう

それぞれ購入時の価格で計算してみました。

本体:elegoo mars3 pro40000円
レジンタンク2つ分5600円
洗浄硬化機:elegoo mercury plus2.014000円
ヒーター:カメラ用レンズヒーターを流用2290円
合計61890円

上記のものに加えて造形物に合わせたレジンがあればすぐにでも始められるわけです。

レジンは価格差がかなり大きいので計算に含めませんでしたが、私の場合、顎模型用であれば1kgで5000~7000円程度のレジンをよく使っています。

CADソフトウェアについて始めは無料のもので十分です。実際私も1番使用頻度が高いのは無料のソフトです。

全て揃えても10万円はかからないことがわかりましたね。

 

 

ランニングコスト

ランニングコストに関しては常に必要なものとして以下の三つを中心に考えてみました。

・電気代

・レジンの使用量

・洗浄用IPA

それでは計算してみましょう。

 

電気代

私が使用している3Dプリンターは光造形方式と呼ばれるものです。

液体レジンにLED光を当てて硬化させる方式ですので比較的電気代は安いと言われています。

elegoo mars3 proのプリント中の最大消費電力は120Wだそう。

1日の稼働時間およそ8時間、30日稼働した場合、1054.08円 (投稿時、東京電力の場合)となります。

 

レジンの使用量

顎模型を想定して考えてみましょう。

顎模型を作ることができれば石膏の使用量を減らすことができますし、インハウスアライナーを始めることだってできますね。

下の画像は上下顎1組の顎模型をプリントした際のコストです。

スライサーソフトchituboxの画面では造形物のコストを確認することができます。

これで顎模型を作るのにかかったレジンの費用がわかりましたね。

実際にはレジンの取り扱いによって無駄が生じますので、仮に1.5倍の使用量だったと仮定すると192円かかることになります。

1日に4組の顎模型を作成し、月に20日間稼働したとして15360円となります。

(クラウン用のレジンは少し高価ですが、その分一回あたりの使用量はかなり少ないです。)

 

洗浄用IPA

出来上がった造形物はIPAで洗浄する必要があります。

1Lあたり700円前後が相場だと思います。

洗浄硬化機に2L入れ、そのほかに適宜使用しますので一月あたり3Lとして2100円程となります。

 

1ヶ月の合計

これまで検証したものを合計してみましょう

電気代+レジンの使用量+洗浄用IPAの合計は1月あたり18514円(小数点以下切り捨て)です。

1ヶ月あたりのランニングコストは2万円以下ということがわかりました。

 

まとめ

機材の導入にはおよそ7万円くらい、月々の運用には2万円くらいの費用がかかることがわかりました。

高いと思われますか?

私は毎日3Dプリンターを扱うのが当たり前になっており、もはや手放せません。

今回改めて計算してみましたが、その感覚で言えば”超安い”です。

導入を悩んでいる先生方の参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

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Koichiro Tokunaga

東京都千代田区 原田歯科クリニック勤務 
東京SJCD所属