MSE・MARPE
矯正用ミニスクリューの登場によってMSE(Maxillary Skeltal Expander)や
MARPE (Microscrew Assisted Rapid Palatal Expansion)と呼ばれる成人の上顎の拡大術式が生まれました。
成長期を過ぎた大人の患者さんにも、上顎骨と周囲の構造を側方に拡張することが可能になり、歯を抜かずに矯正できるケースが増えています。
このことは抜歯矯正による歯列の狭小化を防ぎ、口蓋の拡大に伴う副次的な鼻腔底の拡大も期待できます。鼻腔内の気流を改善し、上気道の抵抗を減少させることで
閉塞性睡眠時無呼吸をもつ成人の患者さんにとって、効果的な治療法となる可能性があるとも報告されています。
しかし、咬合や食いしばりによって、正中口蓋縫合部に骨隆起を認める場合があります。この場合、補助的に外科処置を行うことがあります。
MARPE及びMSEの装置をを装着する際、特に30歳を過ぎた成人の場合、正中口蓋縫線に沿って骨に切れ目を入れる外科処置をしなければいけないことが多いです。
もちろん、歯科用コーンビームCTをで口蓋部を精査してから処置するのですが、口腔内からは鼻腔底を見ることができないこと、
また鼻中隔弯曲に伴い正中口蓋縫合も弯曲していることもあるため、フリーハンドで実践する難しさもあります。
そこで、術中の安全性の向上のために、BlueSkyPlanのサージカルガイド作成機能を応用したPalate Splitting Guideを開発しました。(実用新案申請中)
Palate Splitting Guide
BlueSkyPlanで設計したMARPE及びMSE用のガイドを紹介します。
BlueSkyPlanでカスタムしたドリリングガイドを、正中口蓋縫線に沿って配置しました。
BlueSkyPlanから出力したstlデータを3Dプリンターで造形したものがこちらです。
必ず外科用のレジンを使用してください。
口腔内にセットしドリリングすることで安全かつ素早い処置が可能となります。
治療経過
まとめ
今回はBlueSkyPlanを使用してMSE・MARPEのためのガイドを作成した症例を紹介いたしました。
この術式や装置の作成方法はいずれ皆さんにお話しする機会を設けたいと思っています。
BlueSkyPlanについてはこちら