歯科用3Dプリンター
歯科用3Dプリンターの導入を検討し始めた先生方も多いのではないでしょうか。
私たちのように以前から民生品の3Dプリンターを使用していた先生の方がより悩むかもしれません。
単純に導入コストだけで考えると10倍以上の差があることが多いです。
それでも歯科用プリンターを導入する最大の理由はマテリアル(レジン)です。薬機法ではプリンターとマテリアルはセットになっていますから
口腔内に使用するものは指定されたプリンターとレジンのセットで作られたものでなければなりません。
また3Dプリンターの最大のメリットは1台でいろいろな物を作製できることですから優秀なマテリアルがたくさん用意されていることが必要です。
さらに使いやすいユーザーインターフェイス、プリントスピード、エラーの少なさ、ユーザー情報の多さ、これらの条件を満たすものが歯科用として適した3Dプリンターと言えるのではないでしょうか。
SprintRay
上にあげた条件を今のところ全て満たすものとしてSprintRayをご紹介します。
SprintRay社は歯科用3Dプリンターとマテリアルレジンの両方を自社で開発している数少ないメーカーの一つです。
北米でNo1のシェアを獲得した実績があります。
なんといっても優秀なレジンが豊富に揃えてあるのが魅力です。歯冠用のceramic crownやOnX TOUGHはpermanent resin materialとして非常に高い評価を得ていますし
サージカルガイドやスプリント用のレジンもとても優秀です。
愛用しているceramic crownはレジン中にセラミックフィラーを50%以上含み、FDAの基準ではレジンではなくセラミックと扱われます。
1歯あたり0.5ml程度レジンを消費します。1本のボトルで100歯分程度造形できるような計算でしょうか。
(ボトルはグラム表記でスライサーはミリリットル表記なので正確ではありませんが。比重が、、、)
私たちが使用している機種Pro55Sではクラウン1歯あたりおよそ20〜30分で造形可能です。
スライサーはブラウザベースのRayWareを使用するか、RayWareのデスクトップアプリを使用します。どちらもAIがサポートを設定してくれます。
ご自身でネスティングするのに慣れている方には物足りない部分もあるかもしれませんが非常に短時間で作業が完了します。
デスクトップアプリはMeditlinkと連携可能ですので、MeditlinkでデザインしてRayWareでネスティングとシームレスな作業が可能です。これ、めちゃくちゃ楽でいいですよ。
いつの間にかBlueSkyPlanもSplintRayと連携できるようになっていました。
エクスポート画面からワンクリックでRayWareに進むことができます。
レジンとプリンター本体、スライサーのそれぞれが非常にうまくマッチングされていますのでとにかく造形のミスが少ないです。
過去に経験した造形ミスはインレーの辺縁が痩せていた事、1回きりでした。
院内風景
こんな感じで設置してあります。
(写り込みがひどいので画像を小さくしてしまいました)
プラットフォームとレジンタンクそれぞれにヒーターが入っていて温度管理されています。
一般的にクリア系のレジンは太りやすく(想定より僅かに太く造形される)難しいのですが、プリンターとレジンの設定がしっかりなされていますのでなんの不安もなく出力できます。
サージカルガイドのメタルスリーブも0.2mmのオフセットでちょうどよく入りました。
注意点としては、AIによるネスティングは優秀ですがあまり現実的ではないサポートの立て方をすることがありますので、きちんと理解した上で修正する必要があります。
またデスクトップアプリでネスティングするとサポートが太くなる傾向がありますので使い分けが必要です。
まとめ
SprintRayの3Dプリンターは来年からヨシダで取り扱われることが決まっています。
国内はヨシダの独占販売になるとか?
今まで国内で販売されていなかった様々なレジンも取り扱う予定と伺っています。我々もやっと個人輸入の手間から解放されるかと期待しております。
SprintRayはSNSに力を入れていてinstaglamやyoutubeで最新情報を出してくれていますから是非チェックしてみてください。
もしSprintRayの3Dプリンターを導入するとしたら、先月発売されたPro2がイチオシです。