3Dプリンターを導入しよう

歯科用の3Dプリンターは50万円〜100万円のものが多く、高いものでは1000万円を超えるものもあります。

年々価格は下がってきていますが初めて導入するには少し勇気のいる価格ですよね。

前提としてIOSが必要ですから数百万円の投資をした後に追加で、となると躊躇うのが普通です。

 

さて私たちがメインで使用している3Dプリンターはこちらです

https://www.elegoo.com/en-jp/collections/3d-printing/products/elegoo-mars-4-msla-resin-3d-printer-with-9k-mono-lcd

elegoo mars4 ultraという、いわゆる家庭用3Dプリンターです。

amazonで購入し、セールの時期には4万円をきる値段で販売されていました。

あまりにも値段が安いので安かろう悪かろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

私たちはこの3Dプリンターを使って

・顎模型

・テンポラリークラウン

・パーマネントクラン、インレー

・インハウスアライナー

・スプリント

・カスタムトレー

・デンチャー

などなど、さまざまな治療に役立てています。

 

なぜこの3Dプリンターを選んだか

私も導入にあたって非常に悩みました。

その時、2本の論文に出会いました。

・A comparison of trueness and precision of 12 3D printers used in dentistry
Accuracy of orthodontic models prototyped for clear aligners therapy: A 3D imaging analysis comparing different market segments 3D printing protocols

いずれの論文でもelegooの家庭用プリンターが検証されており、歯科専用のプリンターにやや劣るが精度は大差ないと結論づけられています。

価格は歯科用のものの10分の1かそれ以下ですので、陳腐化のリスクにも耐えられると考えました。

要は古くなったら買い換えればいいわけですね。アフターパーツやトラブルシューティングもネット上に溢れています。

 

デメリットもある

家庭用の3Dプリンターを診療に役立てるわけですからデメリットもあります。

メーカー保守、アフターサービスはない

うまくプリントできないとき、故障した時は自分で対応する必要があります。

レジンの設定値は自分で決める必要がある

多くの歯科専用プリンターにはそのプリンターにあったレジンの設定値がプリセットされています。

設定を公開しているレジンメーカーもありますが、そうでない場合は自分で一から設定・検証する必要があります。

 

 

それでもメリットの方が多い

3Dプリンターの発展はすさままじいの一言です。

私が診療に3Dプリンターを使う事を初めて教わった2020年、家庭用3Dプリンターの解像度はせいぜい2Kでしたが

今回ご紹介したmars4 ultraは9Kです。他の機種では14Kのものもあります。

陳腐化に耐えうるということはすごく大切なことで価格が安いからこそ色々なことにチャレンジできていると実感しています。

とりあえず試しに手に取るにはこういうものがいいのではないかと強くお勧めします。

 

この記事を書いた人

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Koichiro Tokunaga

東京都千代田区 原田歯科クリニック勤務 
東京SJCD所属